SHOW ME THE MONEY9 放送決定! 過去シーズン1~8をプレイバック&新シーズン展望!

今や韓国の音楽シーンで、メインストリームとなったヒップホップ。かつてはアンダーグラウンドで活動していたヒップホップアーティストが音楽チャートで1位を獲得したり、地上波の音楽番組やバラエティ番組に出たり、アイドルに楽曲提供をしたりと大衆化した背景には、Mnetが手掛けるヒップホップサバイバル番組「SHOW ME THE MONEY」の存在がありました。
数々のラッパーたちをスターに押し上げてきた元祖ヒップホップ番組「SHOW ME THE MONEY」の新シーズン「SHOW ME THE MONEY9」が、10月16日から韓国Mnetで放送されることが決定しました! 
そこで今回は、これまで数え切れないほど韓国ヒップホップイベントに参加してきたK-HIPHOPフリークの筆者が、SHOW ME THE MONEYの過去シーズンを振り返りながら、新シーズンの展望についてもお伝えしたいと思います♡

SHOW ME THE MONEY1

優勝者:Loco(로꼬)

プロデューサー:Double K

出典:Mnet K-POP YouTube

SHOW ME THE MONEYが生んだ1番のスターであり、シンデレラボーイといっても過言ではないのではないでしょうか。ロコは弘大のヒップホップサークル「brainswords」出身で、AOMGのプロデューサー・GRAYの後輩。しかしSHOW ME THE MONEYに出演するまでのロコは苦労していて、番組にも一般人として、本名クォン・ヒョグ名義で出演していました。SHOW ME THE MONEY優勝後、無名のレーベルと契約しますが、まともなマネジメントを受けられなかったロコ。そんな中、大学時代の先輩グレイの紹介でパク・ジェボムに会い、AOMGに加入することに。当時、契約解除の違約金2億ウォンをパク・ジェボムに肩代わりしてもらったものの、「감아」のヒットで清算できたとのこと。今やロコは1位歌手であり、AOMGの稼ぎ頭ですからね! 筆者もロコのラップが大好きなので、ライブで聴ける日が待ち遠しいです。

SHOW ME THE MONEY2

優勝者:SOUL DIVE(소울다이브)

プロデューサー:MC Meta

出典:Mnet K-POP YouTube

Just Musicの代表であるSwingsや、最近MOMMYSONとしても活躍中の(?)Mad Crown、Baechigi、Outsiderなどの人気ラッパーを破ってソウルダイブが優勝。ソウルダイブは넋업샨、지토、디테오からなる3人組のヒップホップグループ。現在は事実上の解散という形になってしまいましたが、かつてはイム・ジェボムをフィーチャリングに迎えたりと活躍していました。넋업샨は、Hi-Lite Records所属のHuckleberry Pが主宰する「Pinodyne」にもフィーチャリングで参加していましたね。筆者は「Clover」が大好きで、昔よく聴いていました。懐かしい…!

また、この年はVMCのNucksalやDinDin、EXIDのLEも出場していました。今ではバラエテイにも出演するようになったノクサルも、この時は本名のイ・ジュニョン名義で出演。本戦前にプロデューサー選択を得られなくて脱落してしまうんですが、予選の時のラップ、個人的にはすごく好きでした♡

SHOW ME THE MONEY3

優勝者:BOBBY(바비)

プロデューサー:DOK2&The Quiett(1LLIONAIRE RECORDS)

バビが最初出演することになった時、ヒップホップファンの間では「所詮アイドルだろ」みたいな意見が結構見られました。しかし蓋を開けてみると、GiriboyやIRON、CJamm、Vasco(BILLSTAX)、Olltiらビッグネームを破って優勝! 「アイドルラッパーだから」という先入観を見事に打ち破りました。

出典:Mnet K-POP YouTube
出典:Mnet K-POP YouTube

バビが2次で披露したL4Lと、セミファイナルで歌った연결고리(YGGR)は爆発的にヒットしました。街でもよく流れていましたし、みんな歌ってましたよね。筆者も연결고리(YGGR)は大好きで、何度も聴いた思い出の曲です。
また、“털ㄴ업(Turn up)”や“That’s no-no”など多くの流行語が生まれたのもシーズン3。ショミ見てない人でもみんなとりあえず使っていた気がします。SHOW ME THE MONEYシリーズで最高視聴率を記録したのが3であり、3をきっかけにヒップホップが一般に知られるようになっていきました。

ものすごくどうでもいい余談ですが、江南のオリーブヤングで買い物中のMASTA WUに会ったことがあります(笑)

SHOW ME THE MONEY4

優勝者:Basick(베이식)

プロデューサー:Verbal Jint&SanE(Brandnew Music)

前年の「SHOW ME THE MONEY3」のヒットにより、スターラッパーやアイドルたちがこぞって参加するようになったシーズン4。準優勝したWINNERのソン・ミノ(MINO)をはじめ、MONSTA XのジュホンやSEVENTEENのバーノン、さらにRhythm PowerのGeegooinとHangzoo、Crucial Star、SUPERBEE、Hanhaeらが出演、とにかく豪華なラインナップでした。俳優のキム・ミンジェも出場していましたね。

「どうせ優勝はソン・ミノ」と言われていた中、優勝したのはBasick! Basickは昔アンダーグラウンドで人気のラッパーでしたが、結婚して安定した収入を得るため会社員に。ラッパーとしての活動が減っていたため、「SHOW ME THE MONEYに出る」と報道が出た時はファンに喜ばれました。

出典:Mnet K-POP YouTube

セミファイナルで披露したStand Up feat. MAMAMOOのステージは800万ウォンを超えるマネーを獲得! 歴代のショミの中でもベストパフォーマンスに数えられるほど、圧巻のステージでした!

SHOW ME THE MONEY5

優勝者:BewhY(비와이)

プロデューサー:Simon Dominic&GRAY(AOMG)

前年に続きCJamm、REDDYらビッグネームが出場を表明し、番組をディスっていたSimon Dominicが、GRAYと共にプロデューサーとして出演することで放送前から話題を集めていたシーズン5。終わってみれば、レジェンドとも呼べるシーズンになりました。

BewhYは圧倒的な人気で優勝しましたが、BewhY人気に一役買ったのが、本戦初戦の「forever」ではないでしょうか。

出典:Mnet Official YouTube

ビワイのラップスキルはもちろんすごいんですけど、筆者が特に思ったのは「グレイのプロデュース力、ハンパないな」と。もともとグレイが作る曲は好みでよく聞いていたのですが、foreverでガツンと心を撃ち抜かれました。いつものグレイビートではなくビワイの持つ世界観が見事に表現されていて、イントロが流れただけで鳥肌が立ちました。

出典:Mnet Official YouTube

セミファイナルでは雰囲気をガラッと変えて、ファンクポップな「Day Day」。この曲も本当に、グレイのプロデュース力が爆発しています。foreverはグレイがビワイに合わせて作った曲、Day Dayはビワイがやらないような曲をあえてやらせる。全く正反対の2曲で、ビワイの魅力を引き出しました。これぞ真のプロデューサーという感じですよね。

この頃、韓国ではどのお店に入ってもforeverやDay Dayが流れていましたし、ラジオを聴いていても各番組で1回はビワイの曲が流れるぐらい、本当に人気でした。筆者も耳がちぎれるほど聴きました(笑)

SHOW ME THE MONEY6

優勝者:Hangzoo(행주)

プロデューサー:ZICO&DEAN(FANXY CHILD)

優勝候補に挙げられていたNucksal、JunofloにOllti、Penomeco、Punchnello、Hash Swan、Hanhae、Young Bなどそうそうたるネームドラッパーが顔をそろえたシーズン6。そんな中、優勝したのはRhythm PowerのHangzoo! セミファイナルで披露したRed Sun(feat. Swings)は、大きな話題に。

出典:Mnet Official YouTube

しかし! なんといっても、シーズン6が生んだスターはウ・ウォンジェではないでしょうか(AOMG大好きですみません笑)。

出典:Mnet Official YouTube

一般人として参加しながらファイナルまで進出、惜しくもファイナルの1次で敗れてしまいますが、番組終了後に配信された시차(We are)は長い間チャート1位を独占! AOMGと契約して今は超人気ラッパーとして活躍しています(めでたしめでたし)。この時、ファイナルの2次で披露しようと用意していた曲が시차(We are)だったんですよね(音源流出騒動もありました)。控え室には、フィーチャリングで登場予定だったLOCO&GRAYも待機していて、インスタにバックステージの写真が上がってきた時は思わず涙が…。
ディスバトルでチョ・ウチャン相手に披露した“サンタライム”も話題になりました。

出典:Mnet Official YouTube

ちなみにウォンジェも弘大のヒップホップサークル「brainswords」出身で、グレイがトウミをしていたそう。グレイは当時のウォンジェについて「普通によく笑う子だった」と話しています。

SHOW ME THE MONEY777

優勝者:nafla(나플라)

プロデューサー:Giriboy&Swings(Just Music)

MKIT RAINのLoopyとnafla、Indigo MusicのKid Milli、Superbee、H1GHR MUSICのpH-1、AMBITION MUSIKのキム・ヒョウン、Hi-lite RecordsのReddy、YunB、Sway D、VMCのODEEなど、777の出場者は本当に豪華な顔ぶれでした! 番組で披露された楽曲も、音源チャートで上位にランクインするなど話題性はあったと思います(ショミも落ちただの何だの言われていましたが笑)。

出典:Mnet Official YouTube

放送開始前から優勝候補筆頭に挙げられ、ミスもなく安定した実力を発揮し続けたnaflaが優勝!ファイナルはイントロが流れただけでマネーの数字がどんどん上がっていき、圧倒的な人気で優勝しました。近年、“ショミは人気投票だ”と揶揄されることもありますが、naflaは実力も圧倒的でしたし、文句なしの優勝だったと思っています。
これまでヒップホップ好きな人の間では、naflaのことを知らない人なんていないほど超超超有名な人気ラッパーでしたが、今回優勝したことにより一般にも広く知れ渡りましたよね。こういうところを見ると、大衆に名前を売るには、まだまだショミのコンテンツ力は衰えていないなあと感じます。

出典:Mnet Official YouTube

MOMMYSONの初お目見えもあり(笑)、Dboも話題になりましたね。Coogie、EKといった新星も誕生。“777”という記念すべきシーズンにふさわしい、見どころたくさんのシーズンでした!

SHOW ME THE MONEY8

優勝者:punchnello(펀치넬로)

プロデューサー:BewhY&Giriboy&Millic&Verbal Jint

Club Eskimoクルーのpunchnello、Indigo MusicのYoung B、H1GHR MUSICのWoodie Gochild、UMBITION MUSIKのZENE THE ZILLA、MBAクルーのEK、WYBHのチャンユなどネームドラッパーたちがこぞって志願したシーズン8。

出典:Mnet Official YouTube

彼らを破って優勝したのは、ヒップホップファンなら皆大好きパンチネロ♡(笑)今までの歩みを見てきていたこともあり、優勝が決まった時は報われて良かったねえという気持ちでいっぱいでした(母親か笑)。
ファイナルで披露した「미안해서 미안해 (Sorry) 」からはこれまでの苦労やいろいろな思いが感じられ、とても感動的なステージでした。10cmのクォン・ジョンニョルのフィーチャリングも曲の雰囲気にぴったりでしたよね。放送終了後にはAOMGとのレーベル契約も決まり、今後の活躍にますます期待が高まります♡

出典:Mnet Official YouTube

あと、個人的に応援していたのは女性ラッパーのBryn(ブリン)。Young Bらが所属するDICKIDSクルーの一員で、数年前On StyleのCMを見て「誰だこのかっこいい女の子は!?」と思い、映像を漁りました。トーンとフロウが抜群に良くて、ショミでは出演シーンをことごとくカットされてしまって残念でしたが、本選で披露した「CUPID」も名曲なのでぜひご覧ください♡

SHOW ME THE MONEY9のプロデューサー

  • Zion.T & Giriboy
  • CODE KUNST & Paloalto
  • Dynamic Duo & BewhY
  • JUSTHIS & GroovyRoom

過去2回、優勝プロデューサーとなったGiriboyと、5で準優勝したZion. Tが同じチームに。Giriboyは同じJust MusicのJUSTHISと組むのだろうと思っていたので、この組み合わせは意外で「今シーズンは何か違うのかも!?」とも感じました。稀代のビートメーカーの2人が組んでどんな音楽が生まれるのか、今から楽しみです♡

出典:Mnet Official YouTube

CODE KUNSTとPaloaltoは777に続き、今回も同じチームでの参加となりました。個人的に“コパル”のコンビ好きでしたし、「Good Day」をはじめプロデュースした楽曲もかなり好きだったので、今回も期待しています!

そして、挑戦者としてもプロデューサーとしても優勝経験があるBewhYと、韓国ヒップホップ界のレジェンド・Dynamic Duo。個人的に、ビワイとダデュは、タイプとしては両極だと思うんです。ダデュは大衆的な曲も多いのに対し、ビワイは大衆に受ける曲よりは自分の世界観を突き進むようなイメージといいますか。そんな3人が果たしてどんなシナジーを生むのか、注目です!

そんな中、一番注目されているのは、JUST MUSIC所属のJUSTHISではないでしょうか。以前、SHOW ME THE MONEYのことを「ヒップホップじゃなくてオーディション番組だ」とディスった彼が挑戦者でもなくプロデューサーとして出演するということで、韓国でも話題になっています。ただ、本人曰く「出ないとは言っていない」とのこと(笑)。過去にフィーチャリングでは出演経験もあります。高等ラッパー2でキム・ハオンを優勝に導いたGroovyRoomとどんなケミストリーを見せてくれるのか楽しみです。

SHOW ME THE MONEY9優勝賞金

出典:Mnet Official YouTube

今回、優勝者には優勝賞金1億ウォンと共に、プロジェクトレーベルが設立され、1年間音楽活動のサポートを受けることができます。サポートには、CD(音源)発売、公演、マーケティング、マネジメントまで全て含まれていて、サポート費を含めると総額はなんと5億ウォンにも上ります! もともとレーベルに所属している人はレーベル活動と並行できるとのこと。
規模感がプデュみたいになってきましたよね(笑)ただ今まで無所属でやってきた人には、本当にチャンスになると思います。

SHOW ME THE MONEY9注目の参加者

まずは、なんといってもSwingsでしょう! 過去挑戦者としても出場し、プロデューサーとしても優勝したSwings。急遽自身のInstagramに応募動画をアップし、参加を表明しました。NAVERのリアルタイム検索にもランクインするほど話題に。また、高等ラッパー準優勝者で、VMC所属のRohann(イ・ロハン)、MKITRAIN所属のOwen、3年連続挑戦となるTakuwa、高等ラッパー出身で、過去4度出演しているunofficialboyy(イ・スリン)ら現時点でわかっているだけでもネームドラッパーが多く志願しています。

SHOW ME THE MONEY9 日本放送

現時点での日本での放送は未定です。情報入り次第、更新します!